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2016年24H Series第1戦ドバイ24時間の結果まとめ その2

レース後にびっくりしたのは、主催者のCreventicが「Scuderia Prahaは次のレースは参加お断り」って発表したことですね。
何があったんだ?と思ったんですが、Scuderia Praha(ドライバーはMatteo Cressoni)がトップ走行中、50号車のPrimus Racing(ドライバーはThomas Martinsson)のジネッタに接触した件が特に問題視されたようですが、今までもあまり素行(?)が良くなかったのか、過去の複数回の接触も含めて、そういう判断になったということのようです。
Martinssonは肋骨6本と鎖骨を骨折、ドライバーをマシンから救出するのにロールバーとか車体を切らないといけなかったんだってさ。
そういうことを聞くと、マシンから火が出なくて良かったね…って思うね。
Creventicのこの判断はレースのリザルトに関連するものではないとのことです。

Creventicからのリリースの訳が以下。

Scuderia Prahaの接触事故についての公式通知
ドバイ24時間で無用な接触事故を起こしたScuderia Prahaは24H Seriesを含め、過去のレースで少なくない数のアクシデントを起こしています。24H SeriesのオーガナイザーであるCreventicは、Scuderia Prahaは次の24H Seriesのレースであるムジェロ12時間の参加を拒否することを発表いたします。

私たちは、アマチュアドライバーやチームが趣味で、楽しくレースをする場所を提供するという理念の下にシリーズを運営しています。私たちは、当シリーズの参加者全員に、この理念を再確認していただき、ドライビングスタイルも妥当なものに修正していただきたいと思います。

またムジェロの次のレース、ザンドフールト12時間からのScuderia Prahaの参加をお待ちしております。


で、これに対してのScuderia Prahaのドライバーの一人、ピーター・コックスからのコメントが以下。

Creventicの皆さまへ
Creventic主催の先週末のドバイ24時間に、私はScuderia PrahaのFerrari 458 GT3で参戦していました。私たちは深夜11時30分ごろまで、チームメイトのMatteo Cressoniが他のマシンと接触、2台ともリタイアとなるまで、トップを走行していました。残念なことに、接触した相手のドライバーは負傷してしまいました。私たちは常に、起こって欲しくないと考えている事態です。私のチームメイトはこの接触が自分のミスだということを認めていて、レーススチュワードは次のムジェロでのレースでグリッド10降格の裁定を下しました。

しかしレース終了10分前、CreventicはScuderia Prahaのチームマネージャーを呼びだし、次のムジェロでのレースには参戦できないことを告げてきました。その通告によると、『今回のレース、また過去の24H Seriesでのレースでの度重なる接触事故を理由として、11号車Scuderia Prahaは次のムジェロのレースには参加できません』ということです。チームはこの件に関してきちんと話をしたかったのですが、レース終了が近くて話し合いをする時間がとれませんでした。そして、この通告はその場でツイッターやウェブサイトに公開されていました。

この声明はチーム、そしてドライバーに対する直接的な侮辱です。

レース後、私がサーキットの競技長とホテルで話をしたとき、彼はこの判断には賛成できないと言っていました。なぜなら競技長も、レーススチュワードも、すでにこのアクシデントについてはレース上でのペナルティを課しており、この件についてはそれで終わり、ということで間違いはないと考えていました。

さらにCreventicsの声明には、24H Seriesは趣味でレースをしているアマチュアドライバーのためのレースということも書かれていました。プロフェッショナルドライバーがいることを忘れてはいないですか?(注:ここちょっとわかりづらい。もしくはアマチュアのためのシリーズがプロに下す裁定がそれ?とかまあ否定的な話)もしくは、プロフェッショナルドライバーはレースを楽しんでいないとでも言うのでしょうか。

私は幸運にも趣味を仕事にすることができ、そしてその仕事からは一般の人が仕事をして続けていくことに必要なたくさんの楽しみ、喜びを得ています。このような喜びを、常に高いレベルでのコンペティションを必要とするモータースポーツの世界から得ています。私たちのマシンのオーナーもモータースポーツを趣味としていますが、彼らももちろんレースウィークエンドを楽しみにしているのです。Creventicはチームやマニュファクチャラー、またアマチュアだけでなくワークスやプロドライバーをサポートする人たちのことを忘れてしまっているとしか思えません。

私はCreventic主催のレースだけでも24時間レースを8回、12時間レースを3回経験しています。そして接触されたこと(接触したことではありません)は2回あります。例えば今回のドバイ24時間のように、5.39kmのコースで複数のクラスで100台!が混相するレースの場合、別にアインシュタインのような頭脳を持っていなくても、コースは混雑して何か事故が起こることが予想できないわけがありません。また私は、どの参加者もレースはトラブルフリーに、安全に行こうと考えていないわけがないと信じています。

レースの主催者にとっても100台は大変な数だと思いますが、私の側である参加者の立場からすれば、全てのフラッグ、全てのペナルティや罰則などの裁定は公正に下されるべきだと考えています。今回はレース中にCode 60(フルコースイエロー)が12回!も発生しました。そのなかにはCode 60を使ってコースからマシンを撤去する必要がなかったものもあったと思います。

Creventicはこのようなドライビングは許されるものではない、というメッセージを送りたいということです。しかし今回の彼らの裁定は、ペナルティを受けた特定のドライバーだけではなくチーム全体に及ぶものです。

Creventicはマニュファクチャーとは関係のない、しかしこのシリーズに参加して3年たつ、小さなチームを罰しました。Creventicにとっての損失自体は小さいものでしょう。しかしこれはチームにかかわる人々にとってはとても大きな損失なのです。

ピーター・コックス


読みづらいので和文の方は段落をちょっと変えました~。
ざっくりまとめると「ミスったドライバー個人を罰するならともかくチームを罰するってどういうことさ」なのかなと思います。
Scuderia Prahaは次のムジェロで新車投入の予定だったらしいんだよね。その予定も狂うんでしょうな。
最初は「Scuderia Prahaってそんなにいろいろやらかしてるのかな?」と思ったんだけど、まあ確かに普通はドライバー個人がペナルティを受けて、チームがってことってなかなかないよね。
(ピット作業違反とかくらい?)
実はチームと主催者で折り合いが悪いとかなんかあったのでしょうか。

ピーコからのレターも長かったけどCreventicからの返信も長い!
以下私のテキトー訳。またこちらも段落分けかえてます。読みづらいんだよ!

過日のピーター・コックス氏からの公開質問状について、回答いたします。

ピーターは私たちのシリーズに長く参戦している、尊敬されているドライバーです。しかし私たちとピーターとは通常はScuderia Prahaを介してしか直接会話はしていません。ここで、Creventicがなぜあのような結論になったかということを説明したいと思います。

Creventicはジェントルマンドライバーが主に参加するレースを開催しています。私たちはコースの内外、ドライビングや日頃の態度重要視し、そのため24H Seriesはフレンドリーな雰囲気のレースということで有名になっています。私たちは他のドライバーの安全のことを尊重せず結果のみを追及することを避け、ドライバーが安心して、安全に楽しく参加できるレースを運営したいと思っています。また私たちはすべてのドライバーがミスをするということは理解していますが、そのミスがどのような影響を及ぼすかということについては、レーシングドライバーとは違う観点から考えることになります。

今回の件については、Scuderia Prahaはオーバーテイクの際にコースの外に出てオーバーテイクを行い、そして通常では予測ができないような角度でコースに戻り、Primus RacingのジネッタをドライブしていたThomas Martinsson選手をコースアウト、複数の骨折をさせました。その結果、救出に当たったマーシャルはジネッタの車体を切断して、彼を病院に搬送することになりました。Martinsson選手はこの怪我からおそらく完全に回復することができるだろうとは聞いています。ですがPrimus Racingはドバイ24時間レースをここで終了することとなり、またマシンは修復不可能になってしまいました。このような事態はCreventicのシリーズで起こってもらいたくないものなのです。

昨シ―ズン、Scuderia Prahaのドライバーのドライビングについて数多くの意見が他のドライバーたちからあがってきています。Scuderia Prahaのドライバーたちはオーバーテイクしようとする際に通常のドライバーたちよりも無謀なオーバーテイクをするという意見です。意見を出してきた中の数人は「攻撃的」とも表現していました。彼らからのコメントは公式に表明されることはありませんでしたが、このような意見があるということについてはチームにも何回も情報を共有済です。ちなみに2014年のザンドフールト12時間でScuderia PrahaとSpeedworksのジネッタがクラッシュ、Speedworksのドライバーがクラッシュして入院することになったアクシデントがありましたが、この件は今回の問題についての判断には含まれてはおりません。

耐久レースはチームで行うスポーツです。ドライバー一人で勝つもの、負けるものではありません。レース戦略、ドライバーラインナップの選択、レースに対する態度や他のドライバーに対する敬意など、すべてが重要な要素となり、レース結果は誰か一人の責任に帰すものではありません。

今まで述べたような事情を鑑みて、CreventicはScuderia Prahaの次戦、ムジェロ12時間への参加を残念ながら拒否するという結論に至りました。Creventicはチームのピットへ行き(電話で話したわけではありません)、チーム代表のJiri Rozkosnyに対面で説明を行いました。

Scuderia Prahaは過去に数多くのCreventicのレースに参加してくれた大事な顧客の一つです。そのチームに対してこのような判断を下すということは簡単なものではありません。ですが私たちは正しいドライビングスタイルや安全というものを大事にしているという態度を他のすべての参加者に対しても明確にし、理解してもらう必要があります。

この結論がScuderia Prahaのチーム全体に及ぼす影響というものはCreventicも理解しております。先に記したとおり、耐久レースはチームスポーツだ、ということです。そのため、私たちは24H Seriesに参加するすべてのドライバーに、このような他のチームのマシンにダメージを与えたり、ほかのドライバーに大怪我を負わせるようなドライビングはアクシデントを起こしたドライバーだけの問題では終わらず、所属しているチーム、またチームメイトにも影響が及ぶということを理解してもらいたいと考えています。

Creventicの主催するレースは参加台数が非常に多いですが、常にFIAのサーキットホモロゲーションで許可されている台数よりも少なくなるようにしております。ドバイの場合、FIAによると107台の出場が可能となっていましたが、今回のエントリーは100台までとしておりました。参加台数が多いということも、Creventicが安全にこだわる理由の一つです。ドバイ24時間にエントリーしたということは、すべての参加者、チーム関係者ともにエントリー台数が非常に多いということはわかっていたはずです。そのうえで出場するかどうかは彼ら次第です。

Scuderia Prahaが24H Seriesの第3戦、ザンドフールト12時間にはまたエントリーをしてきてくれるように期待しています。もし参加しないということでしたら、その判断を尊重いたします。私たちはFIA認可のシリーズを運営しておりますが、そのレギュレーションの中には、レース主催者はエントリーを受け付けないことも可能と明記されております。(個人的にはここの一文がここにあるのは喧嘩売られてるようにしか思えない…。この文の前で段落変えるの忘れたのであってほしい)

私たちは、シリーズをコントロールするためにこの判断を下しました。私たちは他のシリーズも、主催者が積み上げてきた評価というものを崩そうとするものに対して、参加を拒否してシリーズを守り、コントロールするということをある意味『常識』としてもよいのではないかと思っています。どんなチームでも、参加申し込みをしてきてくれてよいのです。しかし主催者のシステム、雰囲気、レースへのアプローチなどに同意できないということであれば、もっと自分たちに合った別のシリーズに参加することも自由です。私たちはそのように考えています。

Creventicは全てのドライバー、チームへ明確なシグナルを発しました。私たちは今後、出場停止の判断を下すことが二度と起こらないように期待していますが、私たちの愛する耐久レースを参加者全員が楽しむことができなくなると判断すれば、同じ判断を下すことにためらいはありません。

Gennepにある私たちの本部に、ピーターにはコーヒーでも飲みにきてくれるように招待したいと思います。そこで意見の交換をし、改善することができるようなことがなにかないかなどの話合いができればいいですね。

Creventic Team


さて次の次のレース、ザンドフールト12時間にScuderia Prahaは出てくるのだろうか…。

あと今回怪我をしたThomas Martinssonさんのオンボード映像がありました。



こちらにはPrimus Racingからの以下のようなコメントが出ていました。

Primus RacingのドライバーのThomas Martinssonは、リアが流れていたScuderia PrahaのMatteo Cressoniにどんなドライバーも予想できないような角度、コースの外から当ててこられました。その結果、私たちのマシンは廃車、また私たちのドライバーのMartinssonは肋骨7本を折り、入院することとなりました。現在の私たちが言えることは多くはありません。過去の事故から学ぶことがなかったマッテオですが、今回の廃車2台、怪我人1人の事故から、彼が学ぶことがあることを期待するということです。

コースの外を走行することは固く禁じられています。しかしそのルールがクレッソーニを止めることはありませんでした。中継から確認したところ、トップを走行していたクレッソーニは一周ごとに後ろを走る2号車との差が詰まってきていたため焦っていたようで、そのためあのようなひどい結果をもたらす判断を下したようです。ですがScuderia Praha(本文だとFerrariって書かれてるけど)がコースの外を走っていたのは今回だけのことではありません。数多くのドライバーが目撃しています。

このアクシデントはレースがスタートしてまだ10時間の時に起こりました。最終ラップなどではなく、残りは12時間以上ありました。

またドライバーのスキルも、例えばシュナイダーやシュティップラーたちと、クレッソーニとでは違います。シュナイダーやシュティップラーは決してこんな傲慢なことはしてきません。スキルが低すぎるドライバーが、速すぎるマシンをドライブしているのではないでしょうか。


Scuderia Prahaは次に新車出すぜーとか言ってたからまだしも、マシン廃車だもんねえここんち…。
Primus Racingの今後の活躍を心より期待しています。ここんちこそ次のレースにもいて欲しいね。

と、レースそのものよりも後のことの方が気になるレースでした。