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ウィークエンド・チャンピオン見てきたよ!

8月7日、金曜日の晩にウィークエンド・チャンピオンを観て来ました。
ぎゃー、一か月も前だ!
以下、つらつら感想を書いていきます。

Weekend of a Champion(チャンピオンの週末)がどうして「週末のチャンピオン」ってタイトルにされるんだ!っていうのはいまだに不満ですが、ま、それはそれってことですかね…。
ロマン・ポランスキーってシャロン・テート事件(と淫行)の話題のイメージが強いのですが、F1も好きだったのねえ。知らなかったわ。

1972年のベルリン映画祭と、その他少しだけ上映されたそうですがその後40年上映されなかったんだそうで。
彼がオリジナルのフィルムを再度編集して、2012年のモナコでインタビューを追加して、再度公開となったそうです。
ロマン・ポランスキーありがとう!(1回目)

これ、見る側の基礎知識を求められる、「わかってる人向け」のドキュメンタリーでしたね…。
ざっとWikipediaで1971年のモナコGPの項を読んでから行きましたが、読んでから行ってよかったと思います。
私、ネタバレ問題ない人だからさ(笑)

あ、ドキュメンタリーなのでネタバレも何もないですが、気にする人はいるかもしれないので以下ネタバレ注意でお願いします。

ジャッキー・スチュワートの英語のアクセントが当然スコットランドアクセントなので、ダンブレック先生を思い出してました(笑)
多分アメリカ英語に慣れてる人はめっちゃ聴きづらいとか言うんでしょうけど、私は彼のアクセントのおかげですんなり映画に入り込めました(笑)
(なのでRushではありえないほど細かいことを覚えている)

そうそうアクセントだけじゃなく、ダンブレック先生はジャッキーの顔の形(どっちも長め)と鼻の形もなんか似てる気がしました。
ポール・スチュワート・レーシングで走ってた頃の写真でそんなこと思ったこと一度もないんですけどね…。
うーん、フライング・スコット?(この二人では意味が違う)

また舞台がモナコなもので、「ティーマンが住んでた街…!」とかなってました。
ええまあ71年にはティーマン生まれてないんですけどね。
あとティーマン以外にもあんな人やこんな人が住んでるんだと思うんですけどね。
モナコGPのサポートレースのF3とかも出てきていたので、変にティーマン思い出してしまいました。ばかねえ私…(遠い目)
ティーマンは1996年のモナコF3で優勝してます)

ジャッキーがF3見ながら「いいドライバーはあそこでブレーキを踏む」みたいな話してた時の「いいドライバー」は誰だったんだろうなあ。
あと「右に寄りすぎ」とか「彼は速い」とか、誰が言われてたのも気になる。DVD買ってコマ送りとかしたらわかるのかな(笑)
この年のF3にはデュパイエ、ジャブイーユ、ジェームス・ハント、トム・ウォーキンショーとか出てたんだよね…。

ちなみにヘレンさんが「マカリーっていうオーストラリア人がホイールないのに走っていったわ~」とか言ってた件、Alan McCullyっていうニュージーランド人のようでした。
後から確認できるから、リザルトまとめてあるサイトってありがたいな…としみじみ思います。

1971年のジャッキーのチームメイトってハンサムと言われていたフランソワ・セヴェールだったので結構映像にも映っていたわけなのですが、私は昔から「彼がどうしてハンサムなのか誰か教えてくれ」って思ってたんですよね。
少なくとも私の好みではなくて…。
これは70年代の価値観で男前だったのか?と思ってたんですが、映画を見ていたら初めて「男前かも」って思いました。一瞬。
ひょっとしたら今でいうとモルタラっぽいルックスになっていたのかもしれないと思ったんですよね。目がぱっちりしていて。
まあ彼が大変モテて、ジャッキー曰く「若い女性の被害が甚大」ってのがようやく理解できたような気がしました。
(モルタラの名誉のために言うと彼は真面目なのでそんな「若い女性の被害が甚大」ってことはなかったと思われる)

ちなみにハンサムって話ですと私はグラハム・ヒルとか大好きなんですが、彼ってデーモンとは似てないじゃないですか。
映画の中で初めてまともに奥様のベティさんの顔を見た気がしましたが、デーモンさんは彼女そっくりだったんですね!
デーモンの女装だ!って、正直びっくりしました(笑)

モナコGPのスタートの旗振るのがルイ・シロンでしたが(旗の振り方がおかしいのでスタートが大変っつって笑われてましたね)、彼がエレ・ニースの事をゲシュタポの犬呼ばわりしたという話を思いだしてちょっとムカついた。
彼女についての本"The Bugatti Queen"Kindleでダウンロードしたのに読んでないや…。
日本語版も出ているようです。知らんかった。

ファンジオが出てきてましたけど、彼は通訳連れて歩いてたのにびっくりでした。
ジャッキーとは英語の通訳介して話してましたが、英語(あんまり)できなかったのかな?
逆にフランス語はできたんだろうか…?
イタリア語はできたのかな、というのはまあスペイン語圏の人だし、所属チームがイタリア多いし、とかいうのでなんとなくわかるけど。
まあ今のF1でも、90年代くらいまでは英語ができない(もしくはあんまりできない)ドライバーってたまにいたかなあって思うけど、英語ができない(上手じゃない)扱いされてたのは、フィジコあたりが最後だったでしょうか?

言語で思い出した。
ジャッキーはセヴェール相手にフランス語使って話してたりもしましたけど(でもセヴェールが英語で返してて、しばらくしたら普通に英語だけで話してたけど)、ジャッキーは2012年のインタビューで「失読症で、アルファベットも読めない。だから学校の勉強が全然できなくて学校をやめた。口頭でのコミュニケーションは取れるけど」って言ってたのでびっくりしました。
よくもまあアルファベット読めないとか言ってる人がF1でスチュワートグランプリとかいうチームやってましたね!
フランス語できるとかそういうのよりも何よりもびっくりしましたよ。
文字(とか単語)が左右入れ替わって見えるので雑誌とか読むのが正直おっくう、と言う話を「自分もディスレクシアかもしれない」っていう人から聞いたことあるんですが、それを奥様にも気づかれてなかったっていうのがなんかすごい。
脳の情報処理の仕方が違うからそういうことになるらしいという話ですが、文字で情報を伝える世の中でディスレクシアというのはなかなか大変ですな…。

映画を見て、レーサーっていう職業の人たちがどういう考え方なのか、という一例を見られたかな、と思いますね。
もちろん個人にもよるからみんなジャッキーみたいな人じゃないのはわかってるし、そもそも時代も状況もいろいろ違うしね…。

そうそうエマーソンともみあげの長さ競争で、長ければ長いほど速くなる気がしたとかいう話は、見ていて吹き出しちゃいましたよ(笑)
私はジャッキーのもみあげはその時代的なものだよねとは思ってましたが、エマーソン・フィッティパルディのもみあげはなんかこう、時代というだけではすまないくらいでしたねえ…(笑)
もう今後あのころの人達のもみあげを見たら「速くなりたかったのかな~」って、笑っちゃうかも。

このドキュメンタリー、(F1ドライバー相手じゃなくても)聞きたくてもあんまり聞けないような類の話じゃないですか。
そういう意味で大変興味深いものでした。
ロマン・ポランスキーありがとう!(心の中ではn回目)